資産運用

大人気米国高配当ETFの徹底比較!

こんな方におすすめ

  • 資産運用のメインをS&P500連動ETFか全米ETFか全世界ETFにするか迷っている方

米国高配当ETFは資産形成においてキャピタルゲインとインカムゲインの両方が期待できる人気の投資テーマとなっております。

今回は、米国高配当ETFの中でも人気の高い3つのETFの比較をしてみました。

(筆者は3つとも保有しております。昔は高配当目的でSPYDをメインに購入していましたが、最近は安定した高配当を振り込んでくれるHDVをコツコツ買うようになりました。)

 

概要の比較

 

3つの高配当ETFの概要情報をまとめてみました。

各ETFの特徴を確認していきましょう。

HDVVYMSPYD
株価97.32105.2839.63
配当利回り4.07%3.18%4.95%
経費率(年率)0.08%0.06%0.07%
特徴財務健全性

高配当利回り

平均以上の配当利回り

大型銘柄

S&P500の

高配当銘柄

構成銘柄数約75約395約80
構成ウェイト配当額順時価総額均等
純資産約70億$約377億$約47億$
リバランス頻度年4回年1回年2回
配当時期3月/6月/9月/12月3月/6月/9月/12月3月/6月/9月/12月
運用会社Black RockVanguardState Street
設定日2011/3/312006/11/162015/10/21

オレンジ文字:他より優れているポイント

※2021/08/06時点の情報

 

配当利回り

SPYD > HDV > VYM の順となっております。

中でもSPYDの利回りの高さは際立っていますね。

 

参考

米国投資で王道のS&P500をベンチマークとしているVOOは”1.32%”となっております。

SPYDはVOOの3.8倍の配当利回りとなっており、いかに高配当であるかがわかります。

※VOO:S&P500指数に連動するETF

 

経費率

経費率では、VYMが僅差で優位性があります。

しかし、いずれも低水準であり銘柄選定の観点としては差はないと考えます。

 

参考

VOOは3つの高配当ETFよりさらに低い”0.03%”となっております。

※VOO:S&P500指数に連動するETF

 

投資対象の特徴

3つのETFはいずれも高配当銘柄をポートフォリオに組み込んでいます。

中でも、HDVは高配当企業の中でも財務健全性を重視した銘柄をポートフォリオに組み込まれています。

多くの高配当銘柄企業は、今後の市場拡大が見込めず社内への投資よりも株主還元に舵をきっている企業が多いため、財務健全性が保証されている企業が選ばれていることは中長期で保有する投資家としては安心ポイントですね。

 

セクター比率の比較

 

構成銘柄数が一番少ないHDVでも75銘柄、一番多いVYMは395銘柄であるため、3つのETFは多くの銘柄に分散投資されています。

しかし、構成銘柄が同じセクターにある場合は、景気次第ではセクター全体が下落し、構成銘柄が軒並み株価の下落や配当の減配をする可能性があります

特に、高配当銘柄は金融・不動産等のセクターに多く存在するため、セクターの分散度合いを銘柄選びの観点にいれることは重要です。

 

下記に、3つの高配当ETFのセクター分散度合いを比較してみました。

セクター分散度

結論からいうと、VYM > HDV = SPYD の順で各セクターに均等に分散されています。

分散度合いは、標準偏差で確認することができます。

✅セクター分散と標準偏差

【セクター名】HDVVYMSPYD
生活必需品20.68%13.47%5.20%
エネルギー19.63%7.13%13.77%
ヘルスケア16.74%13.32%3.43%
情報技術10.99%10.56%6.59%
公益事業10.82%7.36%12.81%
通信サービス6.51%5.90%6.38%
資本財5.58%9.17%0.00%
金融5.04%21.99%23.28%
一般消費財3.06%6.28%3.83%
素材0.66%4.82%4.90%
不動産0.00%0.02%19.61%
-標準偏差-6.98%5.49%6.98%

標準偏差でみてみると、VYMが一番数値が低く均等分散されていることが分かります。

標準偏差:平均からのばらつき度合い(数値が低いほど均等分散されている)

 

参考

VOOは情報技術のセクター比率が高く、標準偏差は7.0%となっております。

※VOO:S&P500指数に連動するETF

 

高配当ETFは中長期で保有することが目的であるため、景気の上げ下げに左右されないようにセクター分散がされている銘柄を選びましょう

今回比較対象とした3銘柄はいずれも王道の投資対象であるS&P500をベンチマークとしたVOOよりもセクター分散されています。

その中でもVYMが1つ頭を抜けているようです。

ポートフォリオの60%を構成するメインセクター

  • HDV:生活必需品・エネルギー・ヘルスケア
  • VYM:金融・生活必需品・ヘルスケア・情報技術
  • SPYD:金融・不動産・エネルギー

 

各ETFの構成上位10銘柄

各ETFの構成割合が高い上位10銘柄をします。

✅HDV構成銘柄

Ticker銘柄名組入比率
1XOMエクソン・モービル9.51%
2JPMJPモルガン6.97%
3JNJジョンソン&ジョンソン6.91%
4CVXシェブロン6.44%
5VZベライゾン・コミュニケーション6.42%
6PGプロクター・アンド・ギャンブル5.36%
7PMフィリップ・モリス・インターナショナル4.78%
8MRKメルク4.29%
9KOコカ・コーラ3.99%
10MOアルトリア・グループ3.91%

 

✅VYM構成銘柄

Ticker銘柄名組入比率
1JPMjpモルガン・チェース・バンク3.71%
2JNJジョンソン&ジョンソン3.33%
3HDホーム・デポ2.56%
4PGプロクター・アンド・ギャンブル2.45%
5BACバンク・オブ・アメリカ2.45%
6CMCSAコムキャスト1.94%
7XOMエクソン・モービル1.84%
8INTCインテル1.75%
9VZベライゾン・コミュニケーションズ1.75%
10CSCOシスコ・システムズ1.68%

 


✅SPYD構成銘柄

Ticker銘柄名組入比率
1STXシーゲイト・テクノロジー1.65%
2COPコノコフィリップス1.56%
3IRMアイアン・マウンテン1.56%
4REGリージェンシー・センターズ1.51%
5VLOバレロ・エナジー1.50%
6MPCマラソン・ペトロリアム1.49%
7PSAパブリック・ストレージ1.49%
8SPGサイモン・プロパティー・グループ1.49%
9XOMエクソン・モービル1.48%
10FRTフェデラル・リアルティ・インベストメント・トラスト1.47%

 

株価パフォーマンスの比較

 

株価パフォーマンスの比較

3ETFの株価の推移を確認してみたいと思います。

各ETFの株価を比較しやすいように基準点を1.0として上昇率に換算しています。

※縦軸の値が”1.2”の場合は、基準点から株価が+20%上昇したことを意味します。

 

✅株価パフォーマンス比較(2021年)

 

2021年1月~2021年8月の直近1年間の株価推移を示しています。(2021年1月を”1.00”としています)

コロナショックからの反発を受けて3ETFとも上昇しています。

中でもSPYDの伸び率は大きいですね。(2021年8月時点で年初来+20%)

 

✅株価パフォーマンス比較(直近1年)

 

2020年7月~2021年7月の直近1年間の株価推移を示しています。(2020年7月を”1.00”としています)

コロナショックからの反発を受けて3ETFとも上昇しています。

2020年11月までは3銘柄とも停滞期でしたが、その後は+20~40%の急上昇を遂げています。

高配当銘柄は景気や世の情勢の影響を受けやすいことがわかりますね。

 

✅株価パフォーマンス比較(直近5年)

コロナウイルスが拡大する前からの株価推移を見てみましょう。

2017年7月~2021年7月の直近5年間の株価推移を示しています。(2017年7月を”1.00”としています)

2020年1月のコロナショックによる暴落度合い(ピークから-50%下落)は投資家としては精神的につらい時期だったと思います。

下落時に売却を我慢し、保有し続けることの大切さも読み取れますね。

 

まとめ

人気の米国高配当ETFのHDV・VYM・SPYDを比較してみました。

高配当ETFでもそれぞれ特徴があり、「これが正解!」というものはなさそうです。

とにかくリターンを重視であれば、「SPYD」

リターンも狙いつつ分散投資を重視するのであれば、「VYM」

財務健全性が高い銘柄からのリターンを重視するのであれば、「HDV」

となりそうです。

いずれにせよインカムゲインとしてのリターンは大きいため、高配当目的の投資としてはどれを選んでも間違いないでしょう。

 

それでは、また。

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