こんな方におすすめ
- FIREの出口戦略について悩んでいる方
- インデックス投資と配当目的投資のどちらが良いかで悩んでいる方
キミボク家のFIRE出口戦略
キミボク家は2035年までにセミリタイヤの実現を目指しています。
現在、夫婦+子供1人の3人家族です。
FIRE後の年間生活費は300万円を想定しています。
【生活費の内訳】
- 住居費:月8万(=年96万)
- 食費:月4万(=年48万)
- 光熱費:月2万(=年24万)
- 日用品:月2万(=年24万)
- 教育費:月5万(=年60万)
- その他:月4万(=年48万)
計 302万/年(約25.1万/月)
セミリタイヤを目標としている理由は、以下になります。
- 完全リタイヤには1億円近く必要であるため
- 働くこと自体は嫌いではないため、好きな仕事をストレスレスな状態で働きたいと考えているため。
セミリタイヤ後の仕事で年間50万円(手取り)と想定すると、金融資産からの不労所得は年間約250万円必要になります。
今回は、この250万円をどうやって金融資産から捻出するかを徹底検証していきます!
キミボク家ではセミリタイヤの実現を目指して、以下のような投資スタイルととっています。
投資スタイル
投資対象 | 投資スタイル | 入金スタイル | メリット |
インデックスファンド (S&P500+全世界株) | 毎月積み立て | 毎月18万円 | 堅実で王道! 着実に資産拡大を狙える! |
高配当株 (日本株+米国株) | スポット購入 | 年間50万円 | 3か月ごとの配当金! |
FX (スワップポイント) | スポット購入 | 常時200万円を運用 (追加入金はなし) | 毎日のスワップポイントの入金! 低金利の銀行預金よりも利率が高い! |
キミボク家ではFXのスワップポイント目的で「みんなのFX」を利用しています。
FXのスワップポイントに関しては後述しています。
みんなのFXのポイントは他よりも良いポイントが多々あるのでオススメです!
さて、本題に戻りまして、
FIREを目指す方は、最終的に保有している金融資産からどうやって生活費を捻出するか(出口戦略)を意識して、それを投資方針に反映する必要があります。
よくある出口戦略は、以下の2つです。
- キャピタル系出口戦略 :保有している金融資産(例. 投資信託)を定期的に一定額を売却する。
- インカム系出口戦略 :保有している金融資産(例. 高配当株)から定期的に配当金を得る。
本記事では、上記を組み合わせたようなハイブリット方式である4%ルール+現金クッション方式の出口戦略についてまとめてみました!
4%ルール+現金クッション方式の出口戦略とは?
4%ルール+現金クッション方式の出口戦略とは、
金融資産を毎年一定額を売却しながら、金融資産からの配当金を受領する戦略
になります。
この戦略を分解して詳しく解説していきたいと思います。
「4%ルール」とは?
FIREを目指す方なら是非知っておきたい考え方の1つです!
4%ルールとは?
別名「トリニティスタディ」
1998年アメリカのトリニティ大学における研究成果。
1926~1955年の69年間における退職者が保有する金融資産の残高推移を調査し、株式(Stock)と債権(Bonds)の保有割合と年間の引き出し率に応じて、資産残高が枯渇しない可能性を算出。
年間の引き出し率を4%にすることで資産枯渇のリスクをミニマムにすることができる!
4%ルールの成果であるトリニティテーブルはこちら
FIREを目指す方は株式をメインに運用しているケースが大半だとおもいますので、株式100%で資産運用しているケースで4%ルールをご説明します。
4%ルールのシミュレーション条件
- 投資ポートフォリオ:株式100%、債権0%
- 年間の売却額 :資産額の4%
トリニティテーブルから読み取れることを以下にまとめました!
- 引き出し開始から15年間は資産が枯渇しない可能性が100%
→引き出し開始から15年間は資産が枯渇する可能性は0% - 20年後から30年後にかけては、資産が枯渇しない可能性が98%
→引き出し開始から15年間は資産が枯渇する可能性は2%
まとめると、ポートフォリオを株式100%/債券0%で組み立てた場合は、
- 毎年ポートフォリオの4%を上限に売却することで30年以上資産が底をつかない可能性が非常に高い(98%)
ということになります。
では、4%ルールにしたがって毎年一定額金融資産を売却するとなると、どれくらいの金融資産が必要になるでしょうか?
必要な金融資産額の早見表を作りました!
4%ルールに必要な金融資産はいくら必要なの?
年間生活費(万円) | 必要な資産額(万円) |
200 | 5,000 |
250 | 6,250 |
300 | 7,500 |
350 | 8,750 |
400 | 10,000 |
450 | 11,250 |
500 | 12,500 |
つまり、キミボク家の場合は、
年間生活費(250万円)÷4% =6,250万円 の金融資産が必要になります。
加えて、4%ルールを実施してから20年目以降に資産が枯渇する可能性が2%残るそうです。
次に、戦略後半の説明をしたいと思います。
「現金クッション方式」とは?
先ほどの4%ルールにおいて、
30年後継続しても資産が尽きない可能性が98%という結果でしたが、裏返すと資産が尽きる可能性が2%あります。
※株式100%/債券0%でポートフォリオを構成し、年間4%を上限に売却する場合
現金クッション方式は、この失敗のリスクを低減する戦略になります。
現金クッション方式の説明の前に、4%ルールで失敗するケースはどういったものが考えられるか想像してみましょう!
- リタイヤ直後に株式市場が暴落し、保有している金融資産額が減少する。(がーん😨)
- そんな状況でも生活費確保のために金融資産の4%を売却する。(や、やむなし( ;∀;))
- 金融資産額が縮小する。(や、やばい(T_T))
- 生活費確保のために金融資産の4%を売却する。(お、おわった(;´∀`))
- 以下、ループ。(チーーン(+_+))
暴落時に金融資産の売却をくり返すと資産額の減少がスピードアップしてしまいます。
そのため、当初想定していた「資産額の4%売却益で年間の生活費をカバーする」が破綻してしまいます。
その想定が崩れてしまった場合、売却率を4%以上にする必要があるため、想定よりも資産が減少します。
また、株式相場の回復期にインデックス資産の回復益が少なくなります。
現金クッション方式とは?
裏返すと、株式相場の下落がリタイヤ直後ではなくリタイヤしてから数年後であれば失敗の確率は低くなります。
では、株式相場の下落時においては、生活費はどこから確保するべきでしょうか。
ここで登場するのが、現金クッション方式です。
ポイント
株式相場暴落時に金融資産を売却せずにすむように、生活費を「貯金・配当」から拠出する方法
この考えは、アメリカ人のFIRE実現第1人者であるクリスティー・シェン&ブライス・リャンの著書を参考にさせていただきました。
「4%ルール」と「現金クッション」に関して詳しく書かれています。
では、現金クッション方式のシミュレーションをしてみましょう。
4%ルールのシミュレーション条件
- 株式の下落相場が最大5年間続くと想定
- 下落相場期間中は資産売却を停止する
必要な年間生活費が250万円の場合は5年間で計1,250万円必要になり、
トータルで必要な資産額は以下のようになります。
必要資産額 (4%ルール) | 必要資産額 (現金クッション) | 合計 |
6,250 万円 | 1,250 万円 | 7,500 万円 |
しかも、仮にリタイヤ後に5年間の株式暴落局面に遭遇した場合、現金クッションのすべてを使い果たしてしまいます。
そこで、資産ポートフォリオを以下のような4部構成にすることを提案します!
- インデックス資産(4%ルール)
- 高配当株(現金クッション)
- FXのスワップポイント(現金クッション)
- 現金(現金クッション)
現金クッションを準備しておくことの大切さは分かりましたが、現金のまま保有しておくことは非常にもったいないです。
現金だと利息も付かないし使うとなくなるからです。
そこで、定期的に現金の収入が見込める「高配当株」と「FXのスワップポイント」をポートフォリオに組み入れます!
現金クッション_高配当株
高配当株の代表例として、米国株の「SPYD」があります。
「SPYD」は、S&P500構成銘柄のうち配当利回りが高い約80銘柄に均等分散されている米国高配当ETF
配当利回りは約5%
500万円保有した場合、18万円/年(税引き後)の配当金が見込まれます。
SPYDの直近の配当利回り
直近5年の平均配当利回り:5.10%
直近10年の平均配当利回り:4.84%
米国株の購入についてはこちらの本がお勧め!
高配当株とインデックスファンドの株式購入についてわかりやすく書かれています!
現金クッション_FXスワップポイント
配当金以外に不労所得を手に入れる手段として、「FX」のスワップポイント活用があります。
FXとは?
Foreign Exchangeの略
「日本円で米ドルを買う」など通貨と通貨を交換する取引のことです。
スワップポイントとは?
FX取引は異なる2つの国の通貨の交換を行いますが、それぞれの通貨の金利は異なります。
低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うことで、金利差である「スワップポイント」を受け取る事ができます。
基本的にスワップポイントは毎日発生します。
(例)日本円でオーストラリアドルを購入する場合、2通貨間には金利差があります。
- 日本の金利:0.1%
- オーストラリアドルの金利:2.25%
金利の安い通貨で金利の高い通貨を買うと、金利差分のスワップポイントを受け取れます。
日本円で保有しておくと金利はほとんど付きませんが、海外通貨を保有しておくと高い利子をキャッシュバックしてくれます!
高金利通貨は「米ドル」、「メキシコペソ」、「豪ドル」などがあります
また、FXの特徴として「レバレッジ」があります。
購入資金が少なくてもレバレッジを利用することで購入資金以上の通貨を購入することができます!
レバレッジとは?
レバレッジ=「てこの原理」
投入資金の最大25倍の取引を行える仕組み。
通常の両替などであれば10万円で10万円分の外貨しか取引できません。
10倍のレバレッジを使えば10万円の10倍、つまり100万円分の取引を行うことができます。
具体的に、どのくらいのスワップポイントが得られるかシミュレーションで計算してみましょう!
スワップポイント シミュレーション
- 購入対象通貨:メキシコペソ(政策金利 8.5 %)
購入通貨:日本円(政策金利 0.1 %) - 資金:200万円
- レバレッジ:5倍
メキシコペソは1ペソ=約7.2円 です。(2022/10/01時点)
スワップポイントは1万通貨(=1万ペソ)ごとにスワップポイントが設定されています。
メキシコペソの場合は、1万ペソ:約16円 です。
購入資金が200万円の場合、約28万ペソが購入可能です。
ですので、受け取れるスワップポイントは、28 (万ペソ) × 16 (円) = 448 (円/日) となります。
- 1日:448円
- 30日:13,000円
- 365日:162,000円
ただし、これはレバレッジが効いていない条件での計算結果になります。
レバレッジを「5倍」に設定した場合、購入資金が1000万円相当になるので約140万ペソが購入可能です。
受け取れるスワップポイントは、140 (万ペソ) × 16 (円) = 2,240 (円) となります。
- 1日:2,240円
- 30日:67,200円
- 365日:817,600円
注意ポイント
FXは、あくまでも現金クッション方式のサポートの位置づけで取り入れています。
為替の変動は株式よりも想定しづらいため、FXの割合は資産額の最大10%を目安に組み入れましょう!
また、レバレッジは最大5倍としリスクを抑えましょう!
キミボク家ではFXのスワップポイント目的で「みんなのFX」を利用しています。
みんなのFXのポイントは他よりも良いポイントが多々あるのでオススメです!
スワップポイント目的のFXの解説はこちらの本がオススメ!
FXのスワップポイント目的の具体的な方法やおすすめの通貨がわかりやすく解説されています!
現金クッション_トータル
現金クッション方式として、「現金」オンリーの代替手段として提案した「高配当株からの配当金」と「FXのスワップポイント」をポートフォリオに組み入れることで、株式相場の下落時に資産の売却をせずに済みそうです。
必要な年間生活費:250万円 に対して、以下の不労所得によりカバーすることができます!
- 現金クッション(高配当株からの配当金):18万円/年間
- 現金クッション(FXのスワップポイント):82万円/年間
- 4%ルールによる資産売却:150万円
現金クッション方式で年間生活費の40%をカバーできることがわかりました。
ただし、全額をカバーすることは厳しいため、「4%ルールによる資産売却」もしくは「現金の取り崩し」は必要になります。
とはいえ、高配当株からの配当金 と FXのスワップポイント は株式相場によらず定期的なキャッシュフローをもたらします。
ですので、4%ルールに必要なインデックスファンドの資産額が当初より少なくて済みそうです。
上記のシミュレーションから、4%ルールで年間150万円を売却するため、保有しておくインデックスファンド資産額は3,500 (万円) となります。
※150 (万円) ÷ 4 (%) = 3,500 (万円)
ただし、以下のリスクがあるため余裕をもって+10%の資産は保有するのが良いかと思います。
チェックリスト
- 配当の減配(現金クッションのリスク)
- 金利の低下(現金クッションのリスク)
- 想定外の支出の発生
- 税制の変化(現金クッションと4%ルールのリスク)
日々適切な倹約を心がけ、捻出した資金でインデックス資産を購入し、目標の7,500万円を貯めた時に不安なくFIREを実行できるでしょうか。
おそらく、多くの人にとっては不安に感じると思います。
会社をアーリーリタイヤした直後に株式市場が暴落し資産額が大幅に減少しているシーンを想像すると、ぞっとすると思います。
株式市場が暴落して4%の資産を売却したくないときにどうするべきか解説します!
まとめ
4%ルールに現金クッション方式をアレンジすることで、FIRE生活における資産枯渇リスクを大幅に緩和できることます。
現金クッション方式を取り込むことで、リタイヤ後に株式相場が下落しても、配当金と手持ちの現金で生活費をカバーすることができます。
また、株式相場が下落時に金融資産の売却をする必要がなくなるため、株式相場の回復期に評価益を逃さずに済みます。
FIRE実現に必要な資産額は下記になります。
- 必要なインデックス投資資産額:年間生活費 ×25
- 必要な現金クッション:(年間生活費 ー 年間配当 )×5
年間生活費250万円の場合
- インデックスファンド:3,500+350 = 3,850万円
- 高配当株(SPYD 等) :500万円
- FX(メキシコペソ/日本円):200万円トータル:4,550万円
こちらもCHECK
【FIREの出口戦略 】6%ルールの登場!
続きを見る
必要な資産額を形成するためには、下記①②③が不可欠となります。
- 収入の最大化
- 支出の最適化
- 収入 ー 支出の投資運用
FIREの実現を急ぐあまり、極度の倹約をすることでQOLが下がってしまうことは避けねばなりません。
「お金」以上に「時間」は大切です。
大切な家族や友人と過ごす時間は大切にしていきたいですね。
これらの価値観を大切にしながら、お金に関する知識やスキルについてわかりやすく解説されている「お金の大学」という本をオススメします。
この本は、収入の増やし方や支出の抑え方、投資の方法についてわかりやすく解説されており、Amazonでも8,000件以上の評価を得ているベストセラー本です。
価値観を大切にしたい方だけではなく、お金に関する知識を増やしたい方は、「お金の大学」に一度目を通すことをオススメします。
「お金の大学」では、5つのお金のスキルが紹介されています。
- 稼ぐ力・・・転職、副業
- 貯める力・・・格安スマホ、ふるさと納税、生命保険の解約
- 増やす力・・・つみたてNISA、インデックス投資
- 守る力・・・詐欺、ぼったくり
- 使う力・・・時短グッズ、大切な人へのプレゼント