こんな方におすすめ
- 王道の米国ETFの中でどれを選ぶか迷われている方
- "VOO"、"VTI"、"VT"の特徴を知りたい方
インデックス投資は資産運用の投資先としてとしてメディアでも紹介されています。
読者の中にも、将来のためにつみたてNISA口座でインデックス投資をしている方は多いのではないでしょうか。
数あるインデックス投資ファンドの中でも、アメリカ市場を対象としているインデックスファンドと全世界市場を対象としているインデックスファンドが人気の投資先になっています。
また、アメリカ市場を対象としているインデックスファンドの中でも、米国市場全体と対象としているETFと大型株で構成されているS&P500指数に連動するETFが人気のようです。
今回は、インデックス指数連動ETFの中でも王道の投資先である3つのETFの比較をしてみました。
概要の比較
今回比較対象のETFはこちらになります。
- VOO(VANGUARD S&P 500 ETF)
- VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
- VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
3つのインデックスETFの概要情報をまとめてみました。
各ETFの特徴を確認していきましょう。
VOO | VTI | VT | |
株価 | 406.9 | 228.9 | 105.2 |
配当利回り | 1.31% | 1.18% | 1.92% |
経費率 | 0.03% | 0.03% | 0.08% |
ベンチマーク指数 | S&P500 | CRSP US total market | MSCI ACWI |
構成銘柄数 | 500 | 3500 | 8400 |
純資産 | 約150億$ | 約140億$ | 約13億$ |
配当時期 | 3月/6月/9月/12月 | 3月/6月/9月/12月 | 3月/6月/9月/12月 |
運用会社 | Vanguard | Vanguard | Vanguard |
設定日 | 2010/9/9 | 2001/5/31 | 2008/6/26 |
オレンジ文字:他より優れているポイント
※2021/08/06時点の情報
配当利回り
配当利回りは、VTが1.92%で最も高いです。
全世界市場に分散投資してキャピタルゲインで資産額を増やしつつ、インカムゲインでも配当金を得ることができます。
VOOとVTIに関しても1%前半の利回りがありますが、まとまった資金を投入しない限り、配当収入だけでの生活は難しそうです。
また、米国高配当ETFと配当利回りを比較すると見劣るようです。
参考
有名な米国高配当ETFであるSPYDの配当利回りは”4.00%”となっております。
SPYDはVTの2.08倍の配当利回りとなっており、SPYDがいかに高配当であるかがわかります。
※SPYD:S&P500銘柄の上位80銘柄に均等投資する米国高配当ETF
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経費率
経費率は、VOOとVTIが"0.03%"となっております。
運用額が大きくなるほど、運用経費は低く抑えることができます。
今後もインデックス投資のトレンドは続くと考えられるため、経費率のさらなる下落が見込めると思います。
参考
SPYDの経費率は”0.07%”となっております。
※SPYD:S&P500銘柄の上位80銘柄に均等投資する米国高配当ETF
投資対象の特徴
- VOO:米国市場の大型株 500社
- VTI:米国市場の大型~小型株 3,500社
- VT:全世界市場の大型~小型株 8,400社
セクター比率の比較
3つの中で構成銘柄数が一番少ないVOOでも500銘柄、一番多いVTはなんと8,400銘柄であるため、3つのETFは多くの銘柄に分散投資されています。
しかし、構成銘柄が同じセクターにある場合は、景気次第ではセクター全体が下落し、構成銘柄が軒並み株価の下落や配当の減配をする可能性があります。
3つのETFがセクター分散されているかセクター分散度合いを比較して確認してみました。
セクター分散度
結論からいうと、VT> VTI > VOO の順で各セクターに均等に分散されています。
分散度合いは、標準偏差で確認することができます。
標準偏差でみてみると、VTが一番数値が低く均等分散されていることが分かります。
✅セクター比率と標準偏差
セクター比率 | VOO | VTI | VT |
生活必需品 | 5.83% | 11.99% | 11.85% |
エネルギー | 2.87% | 2.66% | 3.16% |
ヘルスケア | 12.86% | 12.96% | 10.74% |
情報技術 | 27.41% | 26.20% | 19.93% |
公益事業 | 2.47% | 2.32% | 2.31% |
通信サービス | 11.13% | 10.16% | 8.21% |
資本財 | 8.22% | 8.99% | 9.56% |
金融 | 11.25% | 11.22% | 12.86% |
一般消費財 | 12.22% | 5.29% | 5.88% |
素材 | 2.59% | 2.67% | 4.31% |
不動産 | 2.57% | 3.23% | 2.86% |
標準偏差 | 7.05 | 6.73 | 5.13 |
標準偏差:平均からのばらつき度合い(数値が低いほど均等分散されている)
グラフで見てみると、3つのETFはいずれも似たようなセクター分散になっています。
情報技術(特にGAFAM)の構成割合が高く、エネルギー・公益事業・素材・不動産のセクター比率が低いようです。
情報技術へのセクター比率において、VTがVOOとVTIに対して低くなっている分、標準偏差に影響していると思われます。
✅セクター比率のグラフ
参考
SPYDは標準偏差は7.0となっております。
※SPYD:S&P500銘柄の上位80銘柄に均等投資する米国高配当ETF
インデックスETFは中長期で資産形成をするため、景気の上げ下げに左右されないようにセクター分散がされている銘柄を選びましょう。
各ETFの構成上位10銘柄
各ETFの構成割合が高い上位10銘柄をします。
いずれのETFでもGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の構成比率が高いですね。
✅VOO構成銘柄(上位10銘柄)
Ticker | 銘柄名 | 組入比率 | |
1 | AAPL | アップル | 5.92% |
2 | MSFT | マイクロソフト | 5.62% |
3 | AMZN | アマゾン・ドット・コム | 4.06% |
4 | FB | フェイスブック | 2.29% |
5 | GOOG | グーグル | 1.97% |
6 | TSLA | テスラ | 1.44% |
7 | BRK-B | Berkshire Hathaway Inc | 1.44% |
8 | NVDA | エヌビディア | 1.37% |
9 | JPM | JPモルガン・チェース・... | 1.30% |
10 | JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 1.19% |
✅VTI構成銘柄(上位10銘柄)
Ticker | 銘柄名 | 組入比率 | |
1 | AAPL | アップル | 4.90% |
2 | MSFT | マイクロソフト | 4.60% |
3 | AMZN | アマゾン・ドット・コム | 3.33% |
4 | FB | フェイスブック | 1.88% |
5 | GOOG | グーグル | 1.56% |
6 | TSLA | テスラ | 1.18% |
7 | BRK-B | Berkshire Hathaway Inc | 1.09% |
8 | NVDA | エヌビディア | 1.07% |
9 | JPM | JPモルガン・チェース・... | 1.06% |
10 | JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 0.98% |
✅VT構成銘柄(上位10銘柄)
Ticker | 銘柄名 | 組入比率 | |
1 | AAPL | アップル | 2.85% |
2 | MSFT | マイクロソフト | 2.71% |
3 | AMZN | アマゾン・ドット・コム | 1.98% |
4 | FB | フェイスブック | 1.10% |
5 | GOOG | グーグル | 0.95% |
6 | TSLA | テスラ | 0.70% |
7 | NVDA | エヌビディア | 0.64% |
8 | JPM | JPモルガン・チェース・... | 0.62% |
9 | JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 0.58% |
10 | BRK-B | Berkshire Hathaway Inc | 0.54% |
株価パフォーマンスの比較
株価パフォーマンスの比較
3ETFの株価の推移を確認してみたいと思います。
各ETFの株価を比較しやすいように基準点を1.0として上昇率に換算しています。
※縦軸の値が”1.2”の場合は、基準点から株価が+20%上昇したことを意味します。
✅株価パフォーマンス比較(2021年)
2021年1月~2021年8月の年初来の株価推移を示しています。(2021年1月を”1.00”としています)
コロナショックからの反発を受けて3ETFとも上昇しています。
米国の株高影響を受けたVOOとVTIは2021年8月時点で年初来+20%に迫っています。
VTは2021年8月時点で年初来+15%に迫っています。
✅株価パフォーマンス比較(直近3年)
コロナウイルスが拡大する前からの株価推移を見てみましょう。
2018年8月~2021年8月の直近3年間の株価推移を示しています。(2018年8月を”1.00”としています)
2020年4月が下落率としては過去最大となっています。
ただし、コロナショックにより下落したものの、2018年8月時点と比較するとVOOとVTIは+65%、VTは+48%と大幅に上昇しています。
株価パフォーマンスの比較をコロナショック直後の2020年4月から現在までの区間で確認してみましょう。
✅株価パフォーマンス比較(2020/04〜2021/08 コロナショック明け~現在)
2020年4月のコロナショック明けからアメリカの金融緩和政策により株価最高値を更新するまでの軌跡を示しています。(2020年4月を”1.00”としています)
コロナショックからの反発を受けて3ETFとも上昇しています。
わずか1年3か月で+70~80%の急上昇を遂げています。
まとめ
人気のインデックス連動の米国ETFのVOO・VTI・VTを比較してみました。
アメリカ市場連動のVOOとVTIの株価パフォーマンスはVTよりも優れていました。
一方で、VTは幅広い銘柄に分散投資されており、配当利回りに関してもVOOとVTIよりも優れていました。
それでは、また。